『勝てる野球の統計学』でセイバーメトリクスに触れてみる
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セイバーメトリクスに触れるには良い本です。打者、投手、守備の指標から、総合的な指標も紹介されていて、十分な内容だと思います。厚みもなく気軽なボリュームです。
野球の統計分析が今後どのような方向を目指しているのか、というところも見えてきて面白いです。
内容は以下のような感じで進んでいきます。
まず1章では、「無死満塁は得点しにくいのか」、「送りバントは有効なのか」などの疑問を、得点期待値や得点確率によって検証しています。そして、成績やプレーが実は得点や勝利に換算して評価できる、ということが以降の話にもつながります。
2〜4章では、打者、投手、守備についてそれぞれの指標を紹介しています。各指標が評価精度を上げるために発展していく様子と合わせて、最終的には得点への換算で選手を総合評価したいという目標へ向かう過程が興味深いです。
5章では、いよいよ総合評価になります。打者、投手、守備とそれぞれ異なる対象を、得点や勝利という基準に換算して比較していきます。
総合評価ができるようになると、成績やデータからのMVP選出などもできるんですね。2013年のパリーグで、24連勝の田中将大投手がトップになっていないところがまた面白いです。
「セイバーメトリクスはまだまだ発展途上の分野である」と本書の最後にも述べられています。まだまだ課題はあるようですが、野球の1つの見方として捉えれば、楽しみ方が広がってきますね。