第100回リーグの得失点分布
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前回の第100回リーグのチーム成績分布に続いて、今回は得失点分布を載せてみます。
チームが勝つためには得点を多く、失点を少なくすることが重要ですが、いったいどれくらいの得失点を上げれば良いのでしょうか。
今回の集計は第100回リーグで1試合以上消化の55チームを対象に、1試合あたりの比率で集計しました。試合数が最も少ないチームでも37試合だったので、そんなに悪い結果にはならないと思います。
また合わせて、勝率0.500以上のチームも集計しました。勝率0.500以上のチーム傾向もみることで、チーム作りの参考になるかと思います。
得点率分布
最大値:5.6、5.6
最小値:3.1、3.1
平均値:4.2、4.3
得点率は3.1〜5.6の間に収まっています。グラフは若干左側(得点率が比較的低いチーム)が多くなっているようにも見えます。
全チーム(ALL)と勝率0.500以上のチーム(Over0.5)で、分布の様子にあまり違いは無いようです。どちらも広い範囲で分布しています。
失点率分布
最大値:6.4、5.1
最小値:2.7、2.7
平均値:4.3、3.9
失点率は2.7〜6.4と、得点率の幅より広くなっています。グラフでは3.5〜3.75でチーム数が一気に増え、そこから徐々に減少しています。守備型チームの目安として、失点率3.5あたりが一つのポイントとなるのかもしれません。
全チーム(ALL)と勝率0.500以上のチーム(Over0.5)で比較すると、Over0.5は失点率が低い傾向があります。ALLで失点率の高いチームは、ほぼ勝率0.500未満のチームとなっています。
得失点率差分布
最大値:1.1、1.1
最小値:-2.0、-0.3
平均値:-0.1、0.4
得失点の差は、チームの勝率に大きく関係しています。得点率が高く、失点率が低ければ、当然得失点率差は大きくなります。得失点率の差が高いほど、勝率が高くなる傾向があります。
得失点率差は約64%のチームが-0.5〜0.5の範囲に位置しています。チームの得失点率差が0.5より高ければ優秀、-0.5より低ければピンチ、くらいの目安になりそうです。
全チーム(ALL)と勝率0.500以上のチーム(Over0.5)で比較すると、Over0.5は得失点率差が高い傾向があります。Over0.5での最小値は-0.3なので、勝ち越すためにはやはり得失点差がプラスになる必要がありそうです。
得失点率差と勝率の関係
参考として得失点率差と勝率の関係をグラフにしてみました。
得失点率差が高くなると勝率もより高くなる様子がわかると思います。近似直線の式は以下のようになりました。
この近似直線の式を使うと、得失点率差から勝率を予測するなんてことができます。得失点率差が0なら勝率は5割、得失点率差が0.5なら勝率は0.543くらいですね。
また、優勝するための勝率0.620に達するためには、得失点差率が1.4程度必要だということもわかります。
ピタゴラス勝率と勝率の関係
以前ご紹介したピタゴラス勝率も、得点と失点から算出できるものでした。ついでなのでピタゴラス勝率と実際の勝率の関係もグラフにしてみました。
得失点差のグラフと比べても、まあなんとなく似てるかなという感じがします。どちらも得点と失点を元にしているので、ほぼ同様の傾向が見えるはずです。
ピタゴラス勝率は、得点と失点から勝率をダイレクトに求めることができます。が、いちいち計算が面倒という点と、得失点から勝率を直感的にイメージできない気がしました。
逆に得失点率差では、勝率をダイレクトに求めることはできませんが、得失点率差が高ければ勝率も高いとか、率差が1.1なら勝率は0.600くらいになりそう(優勝も狙えそう)など、ある程度直感的にイメージできて便利だと思います。(実際のNPBやMLBでは1試合あたりの得失点を求めるのも少々手間なんですけどね。)
近年の野球でもいろいろな指標がありますが、やはり直感的に成績をイメージできる指標のほうが、親しみやすいですね。