打球の行方をどんな比率で設定するか
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野球ゲームをより実際の野球に近づけるために最も重要なことの1つとして、打球の行方をどのような比率で設定するかがあります。
試合の進み方おさらい
劇ぱわの試合の進み方で紹介したように、劇ぱわでは以下の流れで処理が進んでいきます。
1.投手&打者能力決定
2.投手vs打者 対戦判定
3.打球判定
4.外野判定
5.内野判定
6.ランナー進塁判定
ここでは、「2.投手vs打者 対戦判定」〜「5.内野判定」についての大まかな判定値を、Batted Ballという実際のプロ野球データから設定していきます。
Batted Ball Statsによる打球比率の設定
参考サイトとして、Batted Ball Pitching Statsというエントリーがありました。このエントリーでは、2009年のNPBでの打球について「打者に対する割合」、「打球種別割合」、「アウト割合」などが掲載されています。
以前、ゴロやフライの打球の割合ではゴロ、フライ、ライナーの比率について軽く触れましたが、上記サイトではより多くのデータが確認できます。
このデータのアウト割合から、出塁比率を算出(=100−アウト割合)したりすることで、試合処理における判定値を設定したのが以下の図です。
図中でHitと記載しているところは、アウト以外の比率なので、実際は安打+エラーの比率になっています。また、ライナー(図中L)や、内野フライ(図中IF/F)はアウト比率がわからなかったため、ここでの比率は感覚的に独自設定しました。
そして、「チェック項目」というところで、設定した値におけるHit比率やBABIPを算出しています。次はこれを、実際のプロ野球の成績と比較してみます。
プロ野球の打率やBABIPなどと比較してもほぼ同等
2009年のセリーグにおけるリーグ平均は以下のようになっています。
参考サイト:
プロ野球ヌルデータ置き場
どうでしょうか?Battet Ballから設定した値が、実際のプロ野球の比率にかなり近い値になっていることで、設定値に自信が持てそうですね。
安打とエラーを分類していくことで、実際の野球にかなり近づく
ここまで設定した内容から、三振(K)、四球(BB)、ゴロ(G)、フライ(F)、ライナー(L)、アウト(Out)までが概ね設定できました。
ただ、Hitについてはその内容には安打だけでなく、エラーも含まれています。また、安打にも単打、二塁打、三塁打と、より細かな分類が必要ですね。
エラー、単打、二塁打、三塁打なども実際のプロ野球で成績を確認しながら、設定していくことになります。
ここまでくれば、ほぼ実際の野球を再現できてくると思います。
守備位置ごとに分類することで、さらに現実的なシミュレーションになる
今回参考にしたサイトのデータからは、守備位置ごとの打球比率がわからなかったため、このままでは内野と外野の区別しかできていません。
実際の野球では当然、守備位置ごとに打球の比率は異なるはずです。また、野球ゲームとしても選手に守備位置を設定するからには、それぞれの打球を区別することで、さらに現実的なシミュレーションになるはずです。
元データを変えることで、いろんな野球を再現できる
今回は2009年のNPBリーグ平均を元に判定値の設定をしましたが、この元データの選び方によっては、様々な野球が再現できます。飛ぶボールの時代、飛ばないボールの時代などの再現も面白いかもしれないですね。
MLBではFanGraphsというサイトでBatted Ballのデータを見ることができます。素晴らしい。
日本でもどこかでこんなデータが見られるサイトはないんですかね?